2023年05月19日

令和5年 第19週 (5月8日~5月14日)

■県内概況■
 第 19 週の新型コロナウイルス感染症の定点あたり報告数は、2.55 でした。
5 月 8 日から感染症法上の五類感染症(定点把握対象)となり、患者の全数報告から定点あたり報告数へと調査方法が変更されました。
今後も引き続き、発生動向の把握を行っていきます。
 感染性胃腸炎の報告数が増加しています。
感染性胃腸炎は、多くがノロウイルスやロタウイルスなどウイルス感染が原因ですが、気温が上昇する時期には細菌感染によるものにも注意が必要です。
しっかりと手洗いすることや衛生的な食品の取り扱いを心がけましょう。
 RS ウイルス感染症の報告がやや増加傾向です。
これから流行が拡大する可能性がありますので、特に乳幼児がいる家庭や施設では感染予防に注意が必要です。

■蚊が媒介する感染症について■
 これから夏に向かう時期となり、人間だけでなく動物や昆虫などの活動も活発化しています。
すでに蚊に刺された方もおられるのではないでしょうか。
 蚊は身近な昆虫ですが、病原体を保有する蚊に刺されることによって起こる感染症があります。
主な疾患は、デング熱、チクングニア熱、ジカウイルス感染症、日本脳炎、ウエストナイル熱、黄熱、原虫疾患であるマラリアなどです。
日本脳炎以外は海外からの輸入感染症としてみられますが、デング熱に関しては 2014 年に国内感染例がありました。
海外との交流が活発化すると、輸入感染症も増加するおそれがあります。
 発症してからの治療は対症療法が中心となるため、まず蚊に刺されないための対策が重要です。
屋外の蚊が多くいる場所で活動する場合は、できるだけ肌を露出せず、虫よけ剤を使用するなど、蚊に刺されないよう注意してください。
また、身の回りで蚊の発生源となる放置された水たまりなどをなくすことも大切です。
 日本脳炎は不活化ワクチンによる予防接種、マラリアは医師の処方による予防内服が有効です。

■第19週のトピックス■
麻疹の国内伝播事例の増加に伴う注意喚起について(厚生労働省)
>>詳細はこちら

【奈良県感染症情報センター(奈良県保健研究センター)より参照】
(令和5年5月19日更新)