2023年06月02日

令和5年 第21週 (5月22日~5月28日)

■県内概況■
 感染性胃腸炎の報告数は横ばいで、やや流行の状態が続いています。患者は幼児が主ですが、10 歳以上の報告もおよそ17%(226 例中 39 例)含まれます。
 RS ウイルス感染症の報告数はやや増加しており、報告された患者のおよそ 85%(136 例中 115 例)は 3 歳以下の乳幼児です。
乳幼児は重症化しやすいため、感染予防への配慮が大切です。
 新型コロナウイルス感染症の定点あたり報告数は 3.29 で、第 20 週から大きな変化はありません。
 ヘルパンギーナの報告数が急増しています。前週と比較すると、とくに県北部で増加が見られます。
ヘルパンギーナには予防接種はなく、発症した場合は対症療法になります。
手洗いや咳エチケットなどの基本的な感染予防につとめましょう。

■エムポックスについて■
 「エムポックスって、何?」と思われた方も多いかもしれません。
これまで日本では「サル痘」とよばれていた疾患のことです。
WHO は、2022 年 11 月 28 日に「monkeypox」に代えて「mpox」の使用を推奨し、1 年の期間をかけて移行すると発表しました。
このことをふまえ、日本においても 2023 年 5 月 26 日に感染症法上の名称が「エムポックス」に変更されました。
 エムポックスは、エムポックスウイルス感染による急性発疹性疾患で、感染症法では 4 類感染症に位置づけられます。
主にアフリカ中央部から西部にかけて発生が見られましたが、2022 年 5 月以降は欧米を中心にアフリカへの渡航歴がない症例が報告されるようになり、2023 年 5 月 23 日時点で 8 万人以上の患者発生が報告される流行となりました。
日本では、2022 年 7 月に患者が確認されてから散発的な発生が認められ、2023 年に入り患者報告数の増加が見られています。
日本国内では 5 月 26 日公表時点で 163 例が報告されており、患者はすべて男性です。
 典型的な症状は、6~13 日の潜伏期間の後、発熱、頭痛、リンパ節腫脹等の症状が数日続き、発熱から1~3 日後に発疹が出現します。
発症後、2~4 週間で治癒するとされています。
 なお、エムポックス常在国外で見られた症例では、皮疹の特徴や症状の経過でこれまでとは異なる所見が報告されており、注意が必要です。
疑わしい症状があれば、まず医療機関に相談してください。

■第21週のトピックス■
麻しんについて(厚生労働省)
>>詳細はこちら

【奈良県感染症情報センター(奈良県保健研究センター)より参照】
(令和5年6月2日更新)